(インタビュアー)実際住宅診断をしていてどんなケースがあったか教えていただけますか?

1区画に7軒建っている家のどれかを購入検討しているお客様がいました。
価格が一緒の2軒で悩んだ時に、同じ区画内だけど一応どちらも構造面から見てみたら、片方だけ基礎下かカビだらけだった、新築なのに、ということがありました。色々追求していくと原因は分かったのですが、もう片方の家を診るとこちらは全然なかったんです。この違いは10年後20年後メンテナンスする時、雲泥の差ですよ、という事で「これは聞いてよかった」と仰って下さいました。

(インタビュアー)新築なのにそこまでの違いがあるとは普通想像できないですね。

住宅ローンに関してだと、どこに行っても断られるからと購入を諦めて賃貸を探しに弊社へ来たお客様がいました。自営業の方だったので確定申告書と、健康保険証も実は関係しますから全て見ていくと、原因は健康保険の滞納でした。それを全て払って新規で保険証を取得し、過去に審査を通していない銀行でローンが組めた、という方もいらっしゃいます。
もっとレアなケースだと、夫婦お二人ともすごくいい会社にお勤めで年収も二人合わせて申し分なく、既存の借り入れもない、目をつむっていても希望金額のローンが通る案件。のはずだがどこに行ってもことごとく審査に落ちて買えない。本人たちも理由が分からないし、身に覚えがない、と。そこで個人信用情報を取得して見てみると奥様の方が貸し倒れになっている。要は昔結婚前にコンビニのクレジットをコンビニ納付していたが、結婚で引っ越しして郵便物を転送するのを忘れていた為に納付書が届かなかった。自分が債務不履行になっていることにも気づいておらず、その額なんと370円。たったの数百円だとしても貸し倒れして債権が移行しているので、いくら今払ったとしても無理なんです。夫婦二人で共有名義にしたいとの要望だったので、奥様は自己資金を一部出し、残りはご主人一人でローンを通したら組めた、というケースもあります。
額の問題ではなく、本人が知らない所でそういうことが起こっているというのも過去にありました。通らなかった住宅ローンが原因を探ってくれたんですね。

(インタビュアー)家という高額の買い物をする時に、やはり値引きを望まれるお客様も多いと思いますが、どのように対応していますか?

物件の値引きに関しては、私の15年やっている経験値からしっかり他の部分を固めることによって可能にします。基本的に殆どの物件でローン特約がついてくるので、当然売主様からするとローンが通るか通らないか分からない方に値引きはなかなか難しい。ですから他の部分をしっかり固める。交渉をする前に資金計画をしっかり立てて住宅ローンを固めて建物診断もきっちりしていれば買い手市場に持っていけます。先に必要なことを固めていくことによって金額の交渉も比較的やりやすくなる。私も駆け引きには自信がありますからね。

(インタビュアー)住宅の診断をしているとよく生じる問題などがあれば是非教えて下さい。

診断をした結果、土地に心配点があったとしても、どうしてもその土地が良いとなれば是正を促します。「こういう状態であれば、買う条件としてここをこういう風に直してください」と。お客様によって理由は様々ですが、どうしてもここでなければ無理という場合もあるからです。そういう場合、その土地に見合った建て方をしていないのが一番問題です。理想で言えば、道路との高低差がなく、なるべく四角くて、南向きで等ありますが、実際手にした土地が軟弱地盤だったとしても、そこに見合った施工の仕方をしていれば別に問題ないんです。そこを予算の関係でやらなかったり手抜きをするから問題が起こるわけです。「辞めろ」と言うだけでなく、専門家がちゃんと見て「注意点はここなのでこうすれば問題ないでしょう」と提案できるかどうかに尽きると思います。

(インタビュアー)その他にリライフエステート様のサービスの中で喜ばれているものは何ですか?

保険の見直しも喜ばれています。というのも、結局保険とはすごくややこしくてご自分がどこの会社のどんなプランに入っていて解約返戻金や死亡時の保証金額を正確に把握している方って少ないんです。これはおかしいですよね。
私のお客様で「保険は自身があるので大丈夫」とおっしゃっていた方の保険を見せてもらった事がありました。その方は35歳で20歳の時から終身保険で毎月2万円ずつ積立てているので結構貯まっていると思っていたようですが、実際は0円でした。1円も貯まっていなかったのです。その方も「えっ!??」と。
保険というのはある意味節税という意味合いがあるのですが、要所要所で見直す必要があると私は思っています。

(インタビュアー)それは怖い話ですね。

本当に自分のプランを理解出来ていない方も多いと思います。
火災保険もそうです。皆さん火災保険を見落としがちですが、火事だけでなく泥棒が入った時にガラスが割られたとか、雪が降ってガレージの柱が割れたとか、そういう事も対象になる場合があるので、住んだ後に諦めないで相談をして欲しい。貰う権利があるけど「知らない」というのが一番もったいないので、せっかく入っているのだから事故が発生した時はしっかり利用するべきだと思います。

(インタビュアー)そういった相談も気軽に応じてくれるのは、かなり温かいですね。

家というのは係るものが本当にすごく多いんです。税金や保険などややこしい事ばかりです。住宅ローン控除も黙っていてされるわけではないし、そういった際の専門家の必要性をとても感じます。しかし現状専門家が出てきてくれる事というのは不思議なほど少ない。そういった中でいかに自分がお客様のためのアドバイスが出来るかが私の仕事です。

(インタビュアー)これまでの話を聞いてとても心強く感じます。お客様もきっとそう感じて頼りにしているのが想像に易しいです。

私は今税の専門家を目指して日々勉強していますが、必要となれば提携の税理士を紹介したり、会計士を紹介することも視野に入れています。お客様のためになるのであればそういったところまでケアしたい。
結局生きている事自体が全部リスクだと思います。歩いていても道で轢かれるかもしれないし、寝ていてももしかしたら起きてこれないかもしれない、ご飯を食べれば体に悪いかもしれないし、いかにそのリスクを最小に留めるか。やはり家を買えばそれもリスクです。持っているがために、壊れる心配や劣化の心配をしなければいけないのですから、そういったリスクをいかに減らしていけるかというのがプロのアドバイスだと思っています。